近畿地方から送るゆる~いブログ

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石原慎太郎が田中角栄の自伝を書いた「天才」を読んでみました-石原晋太郎は田中角栄の事を好きだったのだろう-

 

天才

天才

 

 石原慎太郎と言えば田中角栄の金権政治を批判した事があるのは有名。そんな石原慎太郎が田中角栄を「俺」という表現で自伝を書いたのが今回の「天才」。

石原慎太郎が田中角栄の記録を読み、この本を書いた事だと思います。感想はよく書けていると思いました。というよりも金権政治を批判していた石原慎太郎が田中角栄の自伝を書くという事はどんな内容なのか?という興味で買ったのですが、文章を見るに石原慎太郎は田中角栄の事を尊敬し、好きだったのだろうと思いました。それが解るのがまだ田名角栄が若い頃の話に出てくるこの文章。

 

3番クンが幼い子供を膝に抱いて座っているのに気づいた。二人の視線が出会った時、俺は思わず小さく傾き彼女もそれに答えて微笑み返してきた。演説の最中だったが、何か熱く痺れるようなモノが俺の胸にきざしてきたものだった。

(中略)

おれから俺の人生には妻も含めて深く濃い関わりの女たちが現れはしたが、あの三番クンとのか河合は淡く透明なシャボン玉のように、いつまでも俺の人生の記憶の中に淡くはあっても時折妙にくっきりと浮かび上がってくるのだが。

 

田中角栄が若い頃を石原慎太郎が書いているのだが、妙に心を惹かれた。それは田名角栄ではなくきっと石原慎太郎が田中角栄の事を考えながらなのか、もしくはそういった記録があったのか解らないが「透明なシャボン玉のように」という表現方法が私はとても気に入った。

 

私を含めて平成生まれや昭和60年代生まれの人などは田中角栄の記憶というのは無いと思う。私などは教科書で習った人という印象が強かった。しかしこの本を読んでみて思ったのはまさに田中角栄は先を読む「天才」という事。そして愛される「天才」。この二つが印象的だった。前半はいかに田中角栄が人脈を広げたのか、そして後半になるにつれて政治という先を読む事に関して彼がいかに優れていたか。またロッキード事件や家族への思いなど書かれていて田中角栄という人物を少なくてもこの1冊で少し解るような気がした。現在この本が週間売り上げ1位なのですが、その理由も納得。

石原慎太郎がどのような思いで書いたのかは「長いあとがき」で解る事だと思う。是非、買って読んでみて欲しいと思った1冊でした。